自分のためだけに作られた靴を履いてみたい方へ

立つ・歩く、人間の基本動作を支える足。赤ちゃんの頃は左右ほぼ同じ形・サイズなのに、日常のクセ・姿勢・運動・利き足、そして靴・・様々な要因で、成長と共に足の形は変わってきます。数百人と足を計測してきた中で、左右同じ寸法だったのはたったの2人。寸法は同じでも形は微妙に違います。
それほどまでに違うことが当たり前な足の左右差、既成の靴で合うものを探す事の難しさは皆さんも日々実感していることと思います。
一般的にオーダーシューズは高いと思われていますが、合わない靴で足を痛めたり何足も捨てたりするよりも、修理しながら長く履くことができ、既製品とは違う材料、製法、手間をかけ、左右差も考慮された自分の足に合った靴が手に入ると考えると、それほど高い買い物ではないかもしれません。

足型を計測、木型を調整、用途やご希望に応じて、デザインから仕上げまでお客様一人一人のために足に合った靴をお作りします。
*一人で全ての工程を担っておりますので、完成までに時間がかかりますことをご了承ください。

ご注文は完全予約制です。合わせてオーダーの流れFAQもご覧ください。
過去の作例はこちらをご覧ください。
オーダーの価格についてはこちらをご覧ください。

オーダーの際に事前にご確認・お考えいただきたいこと。

お会いしてお話ししながら詳細を決めていくことも可能ですが、事前に以下のことをお考えいただきますとよりスムースに仕様決定ができますので、ご参考にお読みください。

靴の用途

どのような時に履きたい靴か。通勤、冠婚葬祭、普段履き・・靴の形・デザインの方向性に大きく関わる点を前もってイメージしておいてください。

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靴つま先形状の好み

主に以下の3つの方向性でお考えください。木型の細かな調整で足の形に合わせて雰囲気を修正していきます。ご自身の足のタイプを知ることで負担のない形状をご検討ください。
例)エジプト型・スクエア型の足の人が、ポインテッドのように先の細い尖った靴を履くと、指が中央に無理に寄せられる形になるので、外反母趾・内反小趾など足のトラブルになる可能性が高まります。

女性の方はヒールの高さも合わせてご検討ください。
*3cm以上のヒールをご希望の場合は、木型からの制作になります。詳しくはオーダーの流れをご覧ください。

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靴のつま先形状
足指の長さ、形状は大きく分けて3タイプ
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靴のデザイン

靴の基本形状(スリッポン、ブーツなど)、革、ソール素材、色、形、紐、金具類、ベルト、飾り穴、縫い糸の色・・オーダーは決めることがたくさんあります。詳細はご説明しながら進めていきますが、大まかな方向性を決めてからおいでいただきますとスムースです。

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主にローファーで知られるタイプ。紐やストラップがないため脱ぎ履きの多い日本では幅広い年齢層に好まれるデザインです。
締め付けがない分、微妙な調整もできないため、足へのフィット感に欠け、オーダーでも難しいタイプの靴です。仮アッパーが必要な場合もございますので慎重にご相談の上、決めさせていただきます。

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羽根(図中の太線、甲を覆う部分)が、つま先側の部分の中に潜り込んでいる紐靴。凹凸が少ないため、品がありすっきりとして見えるので、冠婚葬祭などフォーマルスーツに合わせるのにオススメです。
一方で甲の高さがきちんと合ったものを選ばないと、紐の調整でしっかりフィットさせることが難しいタイプでもあるのでオーダー向きとも言えます。羽根が大きく開かないので脱ぎ履きに手間取る点もご留意ください。

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羽根(図中の太線、甲を覆う部分)が、つま先側の部分の外側にある紐靴。羽根の部分が大きく開くので脱ぎ履きが楽な上、フィット感の微調節も容易にできるタイプ。ショートブーツ、ソールの種類や紐を通すハトメなどによっても大きく印象が変わり、フォーマルからカジュアルな印象までデザインの幅も大変広く、オーダーでアレンジを考えるのも楽しめるタイプです。

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ローファーなどのスリッポン同様、ホールド感を得ることが難しく、ストッキングやタイツなど前滑りしやすい素材と合わせることが多いので、パンプスの場合は必ず仮アッパー(本番の前のフィッティグの仮靴)を製作致します。プレーンの他にストラップタイプで、ベルトの太さやバックルのデザインなどをお選びいただけます。オーダーではアレンジを色々考えることも楽しめます。

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踝が隠れる靴をブーツと呼びます。その丈によってデミ・アンクル・ショート・ハーフ・ロングなどと分類されます。サイドゴア・チャッカ、デザート・ショッパー、ジョージ、カウボーイ、ライディング・・とデザインの幅が広く、さらに素材を変えることで表情も大きく変わるため、オーダーの楽しみも大きいジャンルです。特にショートブーツは個人的にも好きで、ZAPATEOとしても得意なジャンルです。

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ソール(靴底)デザイン

革、ゴム、ウエルト(押渕:靴を上から見た時に靴を縁取るように見える帯)の有無、色。素材、デザインのイメージ、ご予算などに応じて、製法を決定していきます。以下をご参考にご検討ください。

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セメンテッド製法

接着剤のみで本底を圧着する製法。価格帯の安い革靴、シーズン毎にデザインが変わるレディースシューズ(パンプスなど)、スニーカーなどに用いられる。
オーダーの際価格を抑えることができますが、*1 アッパー・中底と本底を直接接着しているため、修理で剥がす際にアッパー・中底を痛める可能性があり、修理しながら長く履きたいデザインの靴には向きません。
*1アッパー:靴の上の(履く)部分

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マッケイ製法

セメンテッドとほぼ同じ構造だが、本底を接着後に木型を抜き、中底と本底を貫く形でスティッチング(縫い合わせ)する製法。押ぶちのある物は、水の進入を防ぐ役割もするが、接着しているのみなので飾りに近く、ハンドソーンウエルテッド製法に似せる意図と思われる物もある。
ハンドソーンウエルテッド製法を簡略化するために生まれた製法と言われている。セメンテッド製法より本底が剥がれにくく丈夫だが、中底を縫っているため、雨等濡れた場合、中底まで達する可能性があり、何度も修理で縫い直すと中底を痛めてしまうので、修理しながら長く履きたい靴には向きません。

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ハンドソーンウエルテッド製法

溝を作った中底とアッパー、ウエルト(日本では細革や押しぶちと呼ぶ)を麻糸で手縫い。
中物(コルク)で隙間を埋め、 本底を被せウエルトと本底を手縫いする製法。
アッパー、ウエルトをお手入れしていれば、本底を何度も貼り替えて修理できるため、 長く履く靴に向いている。
革底の場合、足馴染み・通気性が良く、帯電体質の方にも良い。雨に濡れた後の手入れが必要、行程が格段に多くなるので価格も高いという点も上げられる。機械がない頃はすべてこのような製法だったが、現在はビスポークや高級既成靴でのみ行われる製法。
ウエルトの形状や縫い方にも種類がありますので、オーダーの際にデザインと合わせてご説明致します。
○グッドイヤーウェルト製法(ダシ機械縫い)
ハンドソーンウエルテッド製法と構造は同じで、ウエルトと本底を手縫いではなく機械縫いする、職人用語で九分仕上げと呼ばれる製法。
機械縫いすることにより、時間も価格も抑えられる。*グッドイヤーは機械の名称。

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