■製法について
靴にはいろいろな製法があります。
ここでいう「製法」とは、履く部分の形状デザインではなく靴底の
スタイルのことです。

ZAPATEOの靴制作で主に用いる代表的な製法の特徴を紹介します。


●セメンテッド製法

接着剤のみで本底を圧着する

価格がもっとも安くできる。
シーズン毎にデザインの変わ
り、華奢に仕上げることもで
きるため女性物に多く使われ
る製法
*1アッパーや中底に直接接
着しているため、痛める可能
性があり、頻繁な修理には耐
えない。

*1アッパー:靴の上の(履く)
       部分




●マッケイ製法

セメンテッドとほぼ同じ構造
本底を接着後、木型を抜き中
底と本底を貫く形で、ステッ
チング。木型を戻して仕上げ
押ぶちのある物は、水の進入
を防ぐ役割もするが、接着で
飾りに近い。
グッドイヤー製法に似せる意
図と思われる物もある。

セメンテッド製法より本底が
剥がれにくく丈夫だが、中底
を縫っているため、雨等に濡
れた場合、中底まで達する可
能性があり、修理で何度も縫
い直すと中底を痛めてしまう
ので、頻繁な修理には耐えな
い。

グッドイヤー製法を簡略する
ために生まれた製法と言われ
ている。
 


●ハンドソーン
 ウェルテッド製法

溝を作った中底とアッパー、
押しぶちを麻糸で手縫い。中
物(コルク)で隙間を埋め、
本底を被せ、押しぶちと本底
を手縫い。
修理も、アッパー、押しぶち
を手入れしていれば、本底を
何度も貼り替えられるため、
長く履く靴には良い。

革底の場合、足馴染み・通気
性が良い。静電気体質の方に
も良いとか。雨に弱く、手入
れも必要、価格も行程が格段
に多くなるので、高いという
点も上げられる。

機械がない頃はすべてこのよ
うな製法だったが、現在はビ
スポーク等、高級靴でのみ行
われる製法。

○ハンドソーン
 ウェルテッド製法
  (ダシ機械縫い)
上記と構造は同じで、押しぶ
ちと本底を手縫いではなく、
機械縫いする、職人用語で九
分仕上げと言われる製法。

機械縫いにより、時間も価格
も抑えられる。


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