●「掬い縫い・ダシ縫い」に必要な道具
1.わげさ
 足から膝に引っかけ、木型を膝の 上で固定する道具。厚めの革を紐
 状にして繋ぎ輪っかにした物。
 (使用図↓)

2.ロウ
 針の通りを良くするために、糸や 針に塗る。

3.毛針
 いのししのたてがみ。
4.掬い・ダシ針
 写真は、ダシ針。
5.麻糸
 中底、アッパー、ウェルト、本底
 を縫い止める大事なパーツ。

*わげさ
足の下に反対側の輪っかを引っかけ
両膝の間から出し、左の図のように靴を固定する。

チャン:掬い・ダシ縫い用の麻糸を縒った時に塗る、
    松ヤニを煮た物。季節によって硬さを調整
    しながら煮る。糸にチャンを引いた後、ロウ
    でコートして縫っていく。糸は作ってすぐに
    縫わないと「風邪を引く」(切れやすくなっ
    たりすること)ので作り置きができない。


●「底付け・ヒール付け」に必要な道具
1.ガラス
 キヤスリで整えたコバに曲面を付
 けながら面をきれいに削る

2.ヤスリ
 カラスを曲線形状に割ったり、本
 底の端の処理に使う。

3.面取り
 細革を斜めに面取りする時に使う

4.面ヤスリ 
 踵の上面(アッパーとの境)を整
 える。

5.キヤスリ
 コバ(靴底の側面)を整える

6.ぶっ込み
 ペースという木の釘を使うとき

7.ペンチ
 
凹凸を削ってあり、つるっとして
 いる。細革と本底を接着する時等
 に挟んで圧着させる。

8.ガリ(溝掘り)
 ダシ縫いの溝を掘る。
 バネ(シャンク)を加工した自
 作品

9.踵材料
 道具ではないが、左から積み上げ
 化粧、はちまき

釘にもいろいろな種類が。

1.ピカード(ブランド名?)
 買うときは19x17の様なサイズ
 表示を見て買います。職人さんが
 昔のブランド名で呼んでました
 つり込みの仮留めに使います。

2.ペース
 木の釘。長さ、太さは革の厚みに
 より使い分ける。
 つり込んだ踵を留める。

3.タックス
 役割はペースと同じ。
 最近の靴はほとんどこちらを使っ
 ています。
 仕事が速くできるが錆びるのが難
 点。長さは革の厚みに応じて。

4.四分五厘 
 昔の寸法で呼んでいます。
 約13mm。本底の踵部分を留める
 のに使う。

5.スクリュー釘
 積み上げ(ヒール)を留めるのに
 使う。螺旋状に筋があり、抜けに
 くい形状。ヒールの高さに応じて
 長さを選ぶ。女性物にプラスチッ
 クヒールにも使います。

6.真鍮釘
 錆びない真鍮釘は革の化粧(床に
 触れる面のヒール材)を留める。
 ゴム化粧の場合は鉄釘で留める。