●「掬い縫い」〜細革を縫う〜

1.糸を作る
 縫う長さの麻糸を縒って、
 チャン(松ヤニ)・ロウを
 塗り、毛針を絡めた物を
 2本作る。(1足分)

2.掬う
 わげさで木型を
固定し、す
 くい針で下穴を開けながら
 塗っていく。

*初めてやった頃は、余計な
 力ばかりかかって、筋肉痛
 で起き上がれなくなった事
 も・・。

3.掬い縫い完了
 靴が違いますが、縫い上げると
 こうなります。


●「ダシ縫い」〜底付け・加工〜
1.底付け
 バネ・コルク(中物)を入れ、本
 底を接着

2.本底の端を捲る
 捲ったところに溝を掘り、そこに
 ダシ糸がはまるようにする。

3.糸を作る
 掬い縫い同様の手順で少し長め
 の糸を作る。

4.ダシ縫い
 掬い縫い同様、わげさで固定。
 ダシ針で下穴を開け、細革と本底
 を縫い合わせていく。

5.被せ
 縫い終わったら、捲ってあった革
 をボンドで留める。
6.切り回し
 上からのバランスでコバ(細革)
  の出っぱり具合を包丁、ヤスリ で整える。

7.ヒール積み
 はちまき・積み上げ・化粧を順に
 釘で留めていき、包丁で形を切り
 出し整える。
 ヤスリ、ガラスを使い、側面の凹
 凸をなくす。


●「仕上げ」〜いよいよ最終段階〜
1.布海苔磨き
 靴底に布海苔と染料を煮た物を塗
 り、靴クリームで磨いておく。

2.インクを塗る

 コバ(細革と本底の側面)にイン
 クを塗っていく。

3.下ゴテかけ
 コテを熱し、インク止めの下コテ
 をかける。

4.ロウを塗る
 ロウを溶かしながら塗っていく
 (写真)

5.コテかけ
 熱したコテで、ロウを溶かしなが
 ら、
強く塗り込んでいく。
6.ロウ磨き
 コテをかけた後に残った、余分な
 ロウを拭き取り、磨き上げていく
7.飾りコテかけ
 熱した飾りコテで、最後の仕上げ


●完成!
*中敷きを入れて、きれいに磨いて
 完成!


 いかがでしたか?
 こんなにたくさんの行程を経て
 1足の靴が完成します。
 大切に長く履いてもらえる靴を作
 っていきたいです。